大好きなミッキーマウスの写真、アップで撮りたくなるのは無理もありません。フィルムに大きく顔が写った写真は、迫力もありますし見栄えもします。
また、上半身くらいまでの写真も、邪魔なもの(たとえば前にいるゲストの後頭部とか...)を写さずにすむためか、人気があるようです。東京ディズニーランドでの写真を載せたサイトの多くが、こうしたキャラクターの顔や上半身のアップ写真を中心に作られています。
けれど、そればかりではアイドルのブロマイド写真ばかりになってしまいます(もっとも、「それでいいのだ!」というファンも少なくないでしょうが...)。
ミッキーやドナルドの「表情」は、手足の動かし方も含めた全身で表現されるものです。ためしに顔だけのアップ写真を並べてみてください。よほどの思い入れのあるファン以外には、どれも同じ顔に見えてしまうはずです。ちょっとだけ衣装が違ったり、周りの風景が違うだけ。
そんな写真ばかりではちょっとつまらない、と思いませんか。
300mmの超望遠レンズが、手軽なズームレンズセットとして手に入ることから、特に一眼レフを買ったばかりの方は、望遠でアップ写真ばかりを狙いがちです(...と書いている私自身が、まさにその通りでした)。
けれど、アップ写真の前後にステージの雰囲気を写しこむこと、大好きなキャラクターだけでなく周囲の動きも捉えておくことで、そのショーの雰囲気がより強く伝わる写真になります。
これはショーでのデイジーダックの勇姿(?)ですが、彼女だけのアップと、パーマが終了して椅子から立ち上がろうとしているミニーを写しこんだ写真と、どちらにより動きを感じるでしょうか(もちろん、「前者だ!」という意見があってもいいのですが)。私は、後者の方によりショーの雰囲気や躍動感を表せていると思います。
ショーの写真を撮るとき、誰もが願うのは「他のゲストを気にすることなく、好きなように撮りたい」ということではないでしょうか。それゆえに、ショーでは長時間待った上で最前列(前にいるのはキャラクターだけ!)と最後列(のびあがってとっても迷惑にならない)を目指すゲストが多いのでしょう。
しかし、私たちは「ショーを楽しむ」のが第一の目的であり、写真はその思い出を残すためのものだということを、忘れてはいけません。写真係をおおせつかったお父さんも、まずはショーを楽しめなければもったいないではありませんか。
他のゲストの手や頭が写っていても、その場の雰囲気を伝える写真になることは少なくありません。
たとえば、ドナルドダックの誕生日を祝うこの写真では、手前に大きくゲストの手が写って白く飛んでしまっていますが、ゲストが高くてをあげて拍手をし、ドナルドに手を振る雰囲気が強く感じられます。この写真でステージ上のダンサーだけが写っていても、つまらない写真だろうと私は思います(ダンサーだけで絵にしようとすると、もっと前方から顔が写るようにしなくてはつらいでしょう)。
最前列や最後列でなくても、他のゲストをショーの一部として写しこむことで効果にしてしまう。ショー撮影の上ではこんな工夫もあっていいと思います。
また、キャラクターを常に真ん中に写してしまっては構図に勢いが出ません。
むしろ、上下左右にちょっとずらして周辺に空間を作ることで、動きが出ます。主要な被写体が真ん中に写っている構図を「日の丸構図」などといいます。これがすべて悪いわけではありませんが、何も写っていない空間をうまく使うことで、写真のスタイルに幅ができるでしょう。
東京ディズニーランドの中でも、「ショーベース」のように広い会場では、望遠レンズを使うことが多くなります。望遠レンズ(100mmを超えるようなら)を使う際には、禁止されていない場合には一脚を使ってできるだけ手ぶれを防ぐ工夫が必要です。
ストロボを使うから大丈夫、と思うかもしれませんが、メインのキャラクターにはストロボがあたっている場合でも、ショーの背景はその場の光で写ることが多いですから安心はできません。
また、コンパクトカメラや一眼レフに内蔵されているストロボは、せいぜい5mほどしか届かない物であることは憶えておいたほうがいいでしょう。ほとんどの場合、ステージまであなたのストロボ光は届いていません。それでもなんとか撮れているのは、ISO400や800などの高感度のネガフィルムを使った場合、なんとかステージ上の光だけでも写り、プリントの段階でかなりの補正がきくからです。
一眼レフをお持ちの方は、ステージ撮影のためにはできるだけ光量の大きな外付けのストロボを使うことをお勧めします。また、コンパクトカメラをお使いの方は、できるだけ多くの光を取り込めるよう、ISO800のフィルムを使いましょう。