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第14話 キリマンジャロ・サファリ熱愛(2002.12.16)

ディズニーのアトラクションではどれが好き? という質問に、あなたならなんと答えますか?
東京なら、今一番の人気アトラクションは「プーさんのハニーハント」でしょうか。いついっても長大な列ができ、夕方までファストパスが残っているのを見たことがありません。私には、今のプーさん人気には違和感もあるのですが、それについてはまたの機会に。
さて、冒頭の質問への私自身の答えは、東京ならば「カントリー・ベア・シアター」に決まりです。特に、春から秋にかけての「バケーション・ジャンボリー」には、その期間に東京ディズニーランドに遊びに行って入らなかったことはない、というくらい通い詰めています。17頭のクマたちによる歌とパフォーマンスは、いつでも時の流れが少し遅くなるかのような心地よさを私に保証してくれます。
では、世界のディズニー・テーマパークのなかでとなると、アニマルキングダム(Disney's Animal Kingdom:DAK)にある「キリマンジャロ・サファリ」を選びます。これは、私がWDWで必ず複数回乗らずには済まない、唯一のアトラクションです。

広大な敷地に4つのテーマパークをもつフロリダ州オーランド郊外の「ウォルト・ディズニー・ワールド(以下WDW)」には、膨大な数のアトラクションがあります。
なかでも、「どんな楽しみが待っているかが毎回違い、予想できない」という、他のアトラクションにはない特徴を持つのが、「キリマンジャロ・サファリ」です。
アトラクションの内容については、ガイドブックなどでもおなじみでしょう。DAKの一番奥、アフリカエリアのハランベの街を出発するサファリ用ジープに乗り込んで、動物たちが待つ森とサバンナを巡る、このパークを代表する人気アトラクションです。
相手はパークの敷地で飼育されている動物たちですから、飼育エリア内では好きなように動いています。このため、このアトラクションでは乗るたびに観られる動物やその位置、数や仕草などは違うのです。空いている時間帯に連続して乗ったとしても、全く違う光景が広がっていることが、むしろ当たり前です。
この意味で、このアトラクションはテーマパークのなかでも例外的な存在といえます。テーマパークのアトラクションは、多少の偶然性(たとえばコースターの乗る位置など)はあっても、基本的には毎回同じ体験ができるように作られたものです。しかし、この「キリマンジャロ・サファリ」は全く逆で、「同じ体験は二度とできない」ものといえます。
私は一度だけ、象の群れが水浴びを楽しんでいるところに行き当たったことがあります。あいにくの雨だったのでカメラはしまっており、後悔しても後の祭りです。それ以来、同じような時間帯をねらっていっても水浴びには出会えていません。また、ある時はキリンが私たちのジープの前をゆったりと横切ったり、シロサイがジープと並行して歩くのを間近で見たことさえあります。毎回違った驚きと感動を得られることこそ、このアトラクションの最大の魅力であるといって良いでしょう。

もちろん、多くの動物たちがジープから見られるように、たとえば餌付けの場所や水飲み場などの配置を工夫して人前に出てくるように設計されていますから、ここにいるのは決して自然の動物たちではありません。凝った作りの野外動物園であるとさえいえるでしょう。
また、人間が乗るジープを観ても平然と近寄ってくる動物というのは、極めて不自然な存在であり、このように動物を見せ物にするパークやアトラクションの存在自体に嫌悪感を抱く人も少なくないかもしれません。
しかし、野生の動物たちを求めて本物のアフリカへ出掛けるのは、やはり大変です。多くの場合、野生動物の生態や保護活動に多少の興味はあっても、テレビ番組や本を眺める程度で終わってしまうのが良いところではないでしょうか。もちろん私もそんな「ちょっと興味派」の一人です。DAKというテーマパーク、そして「キリマンジャロ・サファリ」は、私にとって快適なバケーションと興味のあるテーマについての体験を同時にできる、実にありがたい場所なのです。もちろん、時間が許せば「コンサベーション・ステーション」へ出掛けて動物たちの保護活動の実際についての知識を得ることもできます。
興味を持つだけで実際の保護活動に参加しないのでは意味がない、というご意見もあるでしょう。しかし、私はたとえテーマパークでの疑似体験に過ぎなくても、無関心でいることとは全く違うと思います。このアトラクションで初めて象牙をねらう密猟についての知識を得る人もいるでしょうし、その中からさらにこの問題について深い知識や情報を求める人が出てきてもおかしくありません。あるいは、密猟の結果である象牙製品を買うことにためらいを覚えるようになるかもしれません(すべての象牙製品が密猟されたものではないでしょうが)。

動物たちとの共生や自然環境の保護といったことを抜きにしても、動物園では檻越しにしか見ることのできないサイやインパラ、キリンやゾウをすぐ近くで見ることができるのは、実際に体験しなければわからない感動です。
オープン当初はあまり動物たちの行動をコントロールしていなかったのか、昼になるとほとんど動物が見られずに終わってしまうツアーもあったように思いますが、上述の通り餌付けの場所を変えるなどして、かなりの時間多くの動物たちが見られるようになっています。もちろん、ガイドブックにあるとおり、朝方のほうがより多くの動物たちにあえることは間違いありません。
シーズンによって違いはありますが、DAKは朝7時からオープンです。直営リゾートの宿泊者の特典である「アーリーアドミッション(オープンの1時間前にパークに入園できる)」も再開されました。場合によっては未明からの身支度が必要ですが、その都度違った感動を味わうことのできる動物たちとの出会いが私たちを待っています。WDWへの旅行を計画中のあなた、必ず一日はDAKへの早起き日を設け、3週間のサファリツアー(という設定なのです)に出掛けましょう。きっと後悔はしません。

<2002.12.16>

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