第11話 東京ディズニーシーへ行ってきた!(2001.10.4)
9月の雨の日、ついに東京ディズニーシー(以下TDS)へ行ってきました。
今回は私が見たTDSの魅力について書いてみたいと思います。
TDSに対して、私はこのコーナーの第9話「東京ディズニーシー〜大人のパークに期待!」でも書いたように「ミッキー達キャラクターに過度に依存しない、お隣の東京ディズニーランド(以下TDL)とは別タイプのテーマパークを」という期待感を持っていました。
結論からいえば、TDSは私の期待にほぼ完璧に応えてくれました。もちろん、テレビでの報道だけでなく、さまざまな事前情報からパークの概要が分かっていた上での期待でしたので、当然であるともいえます。
私にとってテーマパークの大きな魅力にひとつに、建物などの風景に代表されるパーク内の雰囲気があります。いわば、「散歩しているだけでも十分に楽しめる」ことが非常に重要と思っているのです。
テーマパークの景観は「それらしく見えるもの」の集まりであって本物ではありません。しかし、本物以上に魅力ある姿で再現されたものであることが多く、TDSは非常に高い水準でデザインされ、作り上げられた世界であると思います。
TDSにあるのが「本物の海」でないことはゲストも承知の上です。潮の香りもありませんし、きっとなめても塩っ辛くはないでしょう。しかし、海にまつわる冒険や旅のイメージを、さまざまな表情で私たちに見せてくれることに成功しています。
たとえアトラクションを利用しなくても、散歩をしたりベンチでくつろいだりといった楽しみ方ができる景観を作り出しているTDSは、ミッキーやドナルドのようなキャラクターなしでもテーマパークを成功させ得るということを雄弁に証明してくれたといっても良いかもしれません。
TDSのショーでもミッキー達キャラクターが登場します。しかし、彼らはテーマパークの魅力付けの一つであり、たとえば「豪華客船の処女航海」というテーマをショーに仕立てるための彩りです。
オープンしたばかりのTDSでは、パークが持つテーマ性をいかにゲストに強く印象づけるかが重要だと思います。その意味からも、新しいテーマパークでは、そもそもキャラクターへの依存性は低くならざるを得ないのでしょう。私はこれで正解だと思っています。
TDSにおける主役は「海」であり、ゲストが持つ、海にまつわるさまざまな物語イメージです。キャラクターはそのイメージづくりのために登場する、いわばスパイスのような存在と位置付けられています。
極論すれば、アメリカン・ウォーターフロントでの「セイル・アウェイ」は、各テーマポートで行われるアトマスフィア(時折バンドやエンターテイナーが登場して行われる小さなショー)の大型版に過ぎず、たまたま通りかかったゲストが好きな時間だけ楽しんでいく、というものと考えてもいいかもしれません。
プレビューの際と、オープン後とではショーを待つ際のレジャーシートの扱いに若干の混乱もあったようですが、9月25日現在、開始の1時間前まではシートなどに座り込んでの場所取りは禁止という方向が決まったようです(もちろん、状況に応じて修正はあるのかもしれませんが)。待ち時間などない方がいいものですから、新しい楽しみ方が定着するまでは少々の軋轢があってもしっかりとした運営に期待したいところです。
私はTDSが「大人も楽しめるパーク」となることを期待し、足を運びました。細かくは触れませんでしたが、「アンコール!」や「ミスティック・リズム」などの質の高いショーやお酒も楽しめるレストランやラウンジなど、期待を大きく上回るパークが実現していました。
もちろん、レストランにはお子さま向けメニューもしっかりと用意され、巨大なプレイグラウンドといっていい「マーメイド・ラグーン」の存在など、ファミリーが楽しめる要素もしっかりと取り込んでいます。
重要なのは、TDSが「リゾートの要素として」TDLとは別の役割を明確に与えられてスタートしたことです。
たとえアトラクションの数や、キャラクターとの出会いが少なくても、それをカバーしてありあまる各テーマポートの景観やデザインの統一性、テーマに沿った大小さまざまなエンターテインメントのは、「のんびりと散歩していても十分に楽しめるテーマパーク」としての性格を顕著に表しているものと思えます。「ミッキーがあまり登場しない」「ディズニーのアニメ映画の要素が少ない」ことをもって「TDSはディズニー色が薄い」と表する向きもあるようですが、冒険イメージにあふれたTDSは十分にディズニー的な世界です。
「ディズニー=TDL=ミッキーマウス」という構図から脱却し、滞在型リゾートとして新たなファミリーエンターテインメントの具体化に向けた一歩として、TDSには着実なスタートを切ったと私は考えます。
もちろん、運営面での不徹底や不慣れなど、減点要素はいくらでも上げられます。しかしそれは時間が解決するはず。TDSの運営に関わる全ての方々へのエールとして、現段階ではTDSに満点をつけたいと思います。
<2001.10.4>
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このエッセイを書いたTDS滞在中の写真はこちらです。
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