第9話 東京ディズニーシー〜大人のテーマパークに期待!(2001.8.22)
5月以来の新エッセーとなってしまいました。当初は隔週程度を目指していたのですが、まあ焦らずに続けていきたいと思います。
さて、ここ数ヶ月間ディズニーファンにとっての最大の話題といえば、9月4日に予定されている東京ディズニーシー(以下TDS)のオープンでしょう。既に、キャストメンバーやオリエンタルランド社の株主、浦安市民などの招待プレビューが行われ、WEB上に体験記やアトラクション情報なども掲載され始めています。
8月の初旬にはマスメディア向けにも公開され、ニュース番組で取り上げられたほか、中旬以降はTDSを扱う特番も目白押しです。アトラクションやショー、レストランなどについてもかなり詳しい情報が事前に入手できてしまうのは、うれしい一方で少々興ざめでもあります。ほどなくファンサイトで「攻略法」なども公開されていくのでしょうが、事前に見る、見ないは迷うところです。
伝え聞こえてくる情報によると、TDSはお隣の東京ディズニーランド(TDL)に比べると、ミッキー達キャラクターの登場はかなり少なくなっているようです。あわせて、パレードが存在しないこと(水上でのショーが素晴らしいようですが)、キャラクターが全く登場しないショー(「アンコール」)の存在など、いわばミッキーに頼りきらないエンターテインメントによりゲストをもてなす方向性が見えます。
私は、TDLで行われるショーの中で「フープ・ディ・ドゥ・レビュー(以下フープ)」がもっとも好きでした。このショーがなくなってしまい、後釜としてグーフィとミッキーが登場する「ペコス・グーフィーのフロンティアレビュー」が始まったときには、嘆きのあまり「フープ」終了を糾弾するエッセーを書き始めたほど落胆しました。
ご覧になったことのある方はご存じの通り、「フープ」にはミッキー達キャラクターは一切登場しません。西部を旅する6人の一座と、舞台となる「ダイヤモンド・ホースシュー」の芸達者なキャストさん達による素晴らしいミュージカルショーでした。キャラクターには興味のない大人でも十分に楽しめるショーの存在は、TDLのファン層を大きく拡げたものと思います。この終了と、さしたる工夫もない(と私には思える)グーフィとミッキーが騒ぐだけのショーのスタートは、「TDLには子供だけがきてね」そして「大人には別の場所を用意するよ」という意思表示であるかのように、私には感じられたのです。
そもそも、ディズニーのテーマパークの魅力は、ミッキーマウスと仲間達によってのみ成立しているものではないと私は考えます。日常の生活の場とは全く切り離された、しかし懐かしさや親しみを感じさせるテーマランドの存在がベースとなっているからこそ、キャラクターが活きるのです。日比谷公園にミッキーが現れても、私たちはTDLと同じようには喜べないのではないでしょうか。
しかし、昨今のTDLはミッキーとプーに寄りかかりすぎていると感じられます。とにかくキャラクターを豪華に登場させ、その周囲でスタイルの良いダンサーが大挙して踊ればゲストが喜ぶ、ゲスト参加タイムがあればなおよし。極めて単純化すれば、この数年のイベントやショーは、これにつきると私は思います。
それは必ずしも間違いではないでしょうが(事実としてTDLのゲスト数は高水準で安定しています)、結果として過度のスペシャルイベント依存、レジャーシートによる場所取りの常態化、常連客を中心とした「テーマパークの日常化」などの弊害を産んできたことも事実です。(「テーマパークの日常化」は造語です。非日常空間であるテーマパークが一部の常連客にとっての日常となってしまい、そこを非日常として楽しみたいゲストとの間に行動面や意識面で大きなズレが生じている、と感じられるTDLの現状を指しています。ピンステーション付近での「露天商問題」がこの典型であったといえないでしょうか)
もちろん、TDSにもキャラクターとダンサーが登場する大規模なショーがあります。「開演の○○分前には場所取りを!」といった情報が流布するに連れ、TDLと同様の問題が生じる危険性はあります。
しかし、テレビ番組等を通じて見る限り、TDSではキャラクターに依存したショーは少なく、むしろ各テーマポートのテーマ性や演出によってゲストをもてなす方向であるように思われます。また、プレビューを体験してきたゲストの声として、キャラクターとの遭遇が少ないこと(必ずしも肯定的に受け止める方ばかりではないようですが)、大人が楽しめるパークであることを評価するものが多く見受けられることからも、私の期待感は高まっています。また、レジャーシートによる場所取りは8月中旬現在で聞こえてくる情報としては禁止が徹底されているようです。
海外のディズニーテーマパークを訪れた方は多いでしょう。ウォルト・ディズニ・ワールドのエプコットやアニマルキングダム、あるいはディズニーランド・リゾートのカリフォルニア・アドベンチャーなどは、TDLやディズニーランドに比べるとキャラクターの登場は極めて限定されています。しかし、それが各テーマパークの魅力を低めている訳ではありません。むしろ、さまざまな性格のパークがあることが、リゾートの魅力です。
東京ディズニーリゾートとして2つのパークを運営する以上、両方で同じことをやっていては意味がありません。TDSが大人も楽しめる場として設立され運営され続けるよう、オープンを前に大いなる期待感を表明したいと思います。
<2001.8.21>
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