d-essays

第7話 「インパーク」といわない理由(2001.5.16)

ディズニー関連の名称、とくにテーマパークのアトラクションやショップの名前は、やたらに長くておぼえにくいのが特徴です。東京ディズニーランドでの例を挙げると、「スルーフット・スーのダイヤモンド・ホースシュー・レビュー」「ディズニー・オン・パレード/100イヤーズ・オブ・マジック」など。
話し言葉ではもちろんのこと、こうしてWEBサイトに掲載する文章で扱う際にも、長すぎる名称は作者にとって面倒なだけでなく、文章が間延びしてしまいがちです。多くの場合は、たとえば「スルーフット〜」なら「ダイヤ」などのように短縮して呼ばれることが多いでしょう。このサイトに掲載する情報でも、東京ディズニーランド(以下TDL)のように、一度は正規の名称を載せて以後は略称を使うことがほとんどです。

こうした略称は、便利な半面で「仲間内の符帳化」という危険性を孕んでいます。
たとえば、いきなり「TDL」といわれてすぐに「東京ディズニーランドのことか」と理解できる人は多くないでしょう。
「ワンマンズ・ドリーム」が「ワンマン」、「フィール・ザ・マジック」が「フィール」など、掲示板などでよく見かける略称は、「わかるひとにしかわからない」ものであり、結果としては符帳を理解しない人との間の壁となってしまいかねません。
ファンによって運営されている多くの掲示板は、ファン同志の交流のための場という暗黙の了解があります。このため、ある程度の符帳の使用は問題とならない場合が多いでしょう。話題に出すたびに正規の名称を書いていたのでは、時間もかかります。携帯端末などでアクセスしている人にとっては無駄にもなるでしょう。
略称を使うことが有効な場面がある以上、一概に否定することはできません。
ただ、パークやアトラクションの解説ページなど、長期間に渡りさまざまなゲストに見せることを前提とした文章では、必ず一度は正規の名称を書いた後に使用することが基本だと私は思います。

略称に類するものとして、もともとはTDLで働くキャストさん達が符帳として使っていた表現が、いつの間にか有名になったものがあります。たとえば、「昼のパレード」「夜のパレード」をそれぞれ意味する「Dパレ」「Eパレ」が代表でしょう。このたぐいの用語で、もっとも有名で、広く使われているものが「インパーク」という表現です。
このサイトの文章内では、私は「インパーク」という表現は使っていません(万が一使われていたら、それはチェック漏れです)。必ず「入園」と書いています。意味は同じですが、「インパーク」はあくまで符帳であり、一般に認められた表現でもなければ何かの略称でもないからです。
このサイトをご覧になる方のほとんどはディズニーのファンでしょうから、「インパーク」と書いても理解されない可能性は低いと思います。それでも、符帳を不用意に使うことで、必要以上に間口を狭めることは避けたいと考えているのです。

既に述べたとおり、仲間内の掲示板で共通の理解範囲にある符帳を使うことは、入力や閲覧時の効率も良くなりますし、私も否定するつもりは全くありません。
ただ、それが新たにコミュニティに加わるための壁となってしまいかねないことは、承知の上で使わなければならないことは、意識しておいても良いだろうと思っています。
また、WEBサイトでの解説や旅行記など、親しい仲間だけでなくより多くのゲストを迎えたい文章では、使用すべきか、どのように使うかを見極めることが重要ではないでしょうか。
せっかくのWEBサイトをもつなら、より多くの方に見ていただきたいと私は思っています。もし、あなたが同じように思っているとしたら、仲間内だけの符帳がないか、初めてのゲストが読んでも理解できるようになっているか、見直してみませんか?

<2001.5.16>

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